キャバリア・リリー日記 フィリピンで家を作ったら(2009/12/29) 昨年の今日は
2008年12月298日
フィリピンで家を作ったら
フィリピンで家を作ったら、総集編です

ミンダナオ島で家を建てたばかりです。
300平米の土地に250平米の家を建てました

Land 2.6 million pesos
Building 2.4 million pesos
In addition, roofing material, well, water works, paint, sewage tank, etc. 1.6 million pesos

2.4 million + 1.6 million = 4 million pesos

Total: 6.6 million pesos ($6.6 million)

土地260万ペソ
建物240万ペソ
他に電気工事、屋根材、井戸、水道工事、ペンキ、汚水タンクなど160万ペソ

トータル合計660万ペソ(6.6million)です。
日本円にすると 約14,917,600円(1491万円)  10,851,000円

工期は約5ヶ月。おそらくまれに見る最速だと思います。
毎日現場に赴き、フィリピン人である妻が現場監督をつとめ、毎日必要な材料を買出しに行ってはミソン(マソン[Mason])や作業員に提供する。
そんな毎日でした。
正直、とても疲れました。日本のように建築会社の丸投げならどんなに楽なことか。
しかし、この国ではそれ(丸投げ)をするからにはそれなりのリスクと金額が必要です。
ちなみに妻は工業技術関係の勉強を大学でしていました。だから現場監督が勤まったのだと思います。

詳しくは リリー日記 をご覧ください。


さらに付け加えればこの家は可能な限り日本の規格で建てられています。
フィリピン流に建てていればおそらく土地込みで150万ペソもあればお釣りが来たことでしょう。
何故建物に400万ペソもかかったか?

1)ブロックを積み上げるときにあまりに鉄筋が頼りなかったので日本規格と同程度にしろと叫んでしまった
この写真の鉄筋は多いほうです。 何も言わなければ1本の鉄筋が立つだけです。
 


2)壁のコンクリートを塗り始めたときに「こんな薄い壁は許せない」と怒ったから
ミソンと作業員が全員で打ち合わせをして「とにかくコストではなく立て主の要望を尊重しよう」と話し合ったそうです


3)電気配線はフィリピンの230Vと日本の100Vをすべての部屋に配線した(これがとてもお金がかかったと妻が怒っていました)

オレンジ色のパイプがフレキパイプです。後でわかったのですが、フレキパイプにも大中小があるのです。
しかし電気工事のエンジニアは単線結線図さえ読めない、何本の線が入るのか最後まで理解できないという「馬鹿」でした。挙句に果てにはパイプを湾曲させて敷設したものから通線が出来ない。コンクリートの壁を壊して通線をするなどバックジョブばかりでした。


私が指示をしないとブレーカーの配線すら出来ないエンジニア

もっと標準的な家ではブレーカーは1個か2個
こんな複雑な配線は見たことも無いのでしょう。









4)230Vのコンセントはフィリピン式に横向き、100Vのコンセントは日本と同じ縦向き。さらにシール屋さんで赤い230Vと書いたシールと、グリーンの100Vと書いたシールを作ってすべてに張りました。


すべての電化製品のプラグにもシールを貼ってあるので、子供たちでも絶対に間違えません。
5)こちらの配線の結合はペンチで捻るだけ。電気工事士の私としては許せなくて日本からリングスリーブを取り寄せたから
6)すべての蛇口は温水も出るようにしたから

7)日本式のお風呂のために大型の温水ヒーターを購入した


8)排水管は可能な限り太いものを使い、直線で配線させた
これを見ても判るように、基礎工事は無しです。地面の上にメッシュを組んで直接コンクリートを流し込んでいます。


8)天井も壁もペンキを4回塗りにした



9)屋根は錆びにくい特殊コーティングの素材を使用した


おそらく同じ家をセブで建てるとすれば2000万円から3000万円かかるのではないかというのがその妻の試算です。
マニラで建てるなら1億円?

フィリピンの多くはRC工法とはほど遠い工法です。
まず、基礎となる鉄筋が存在しません。存在はしますが、本当に細い鉄筋を針金で縛っただけです。
さらに、その基礎から立ち上げた柱になる鉄筋も細いものです。
ほかの家では写真のように鉄筋を組み上げることすらしていませんでした。
基本はブロックをくみ上げてその中に鉄筋を通すだけと考えてください。
その鉄筋の数ときたらホンの気持ち程度です。

さてこれらの材料購入から工程管理を、ミソン(マソン[Mason])と呼ばれる日本で言う棟梁に任せると、まずハードウェアショップと結託して価格を吊り上げた上で、多くのリベートを横取りします。

通常建て主が自分でハードウェアショップへ行き、必要なものを購入して運搬し、現場に引き渡します。一度だけ所要でCebuで行ったときにミソンが直接ハードウェアショップに掛け合ってリベートを要求したことがありました。しかし妻がぎりぎりまで値下げ交渉をしていたため、ハードウェアショップから連絡が入り未遂に終わりました。

実際見た事例では、アメリカ人と結婚した女性が、アメリカに住みながらフィリピンのミソンにお金を送金だけして任せたら全部材料を横取りされた上にいまだに完成せずお金を取られ、土地は廃墟になっています。

これらのことから判るのは、家を(アパートを)建てれるのはそれに専従できる信頼の置ける人物が必要ということです。その信頼のおける人が親族でも、家族でも、友人でもいいのですが、5ヶ月近い工期の間ずっとついていられる必要があります。 それだけににリッチパーソンでなければまともな家は作れません。

SepticTank(日本でいう汚水タンク)は値段のうちに入ります。
右は汚水ますを埋めているところ。基礎にひっかっかり斜めになっている。このあと5mまで埋めていく。


これらが さいてい家作りににかかるコストです


ただし、ここので常識として、電気配線と上水道、ペンキ、家具はは別のスペシャリストになるので値段は別になります。
窓枠やサッシ、ガラスなども別値段です。



水道屋さん。配管に保温用のシートを巻くように指示したら理解できない様子だった。

2009年12月24日  2009年12月31日
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